筆者:永吉健志郎
ながよし整骨院の永吉です。
今回は、五十肩の中でも悩まれる方の多い「夜間痛」に関して記事を書きました。
- 夜の痛みで寝られない
- 寝返りで夜目が覚めてしまう
- 痛みで熟睡できず朝から疲れている
- 病院でシップや痛み止めをもたったけど変わらない
- ストレッチや体操をしても改善しない
このような方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
夜に痛くて眠れない
それ、五十肩の「夜間痛」かもしれません【青葉区で改善を目指すなら】
「肩の痛みが強くて夜中に何度も目が覚める…」
「寝返りを打った瞬間に激痛で飛び起きてしまう…」
このような症状にお悩みの方は少なくありません。
実はそれは五十肩に特有の『夜間痛』かもしれません。
夜間痛とは?なぜ夜だけ痛むのか?
「夜間痛」とは、夜寝ている間や横になっているときに肩の痛みが強くなる状態を指します。
日中はそれほど痛まないのに、夜になるとズキズキ・ジンジン痛む。
こうした痛みは五十肩の代表的な症状の一つです。
夜間痛のメカニズムにはいくつかの要素があります。
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仰向け時に肩関節にかかる圧が増す
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血流低下により炎症物質の代謝が滞る
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肩周囲の滑液包や靭帯が癒着・圧迫されやすい
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自律神経のバランス変化により痛みが敏感になる
また、筆者はそれに加えて炎症による関節包の組織の水分による膨張も肩の中の圧力が上がる原因と考えています。
上記の中でも重要なのが、「肩峰下滑液包」や「棘上筋腱」といった上方支持組織へのストレスです。
これらは、日中は肩甲骨の動きで逃げ道があるのに対し、夜間は固定された姿勢で過緊張・圧迫されやすく、炎症反応が起きやすいのです。
五十肩の夜間痛に対する誤解と危険なセルフケア
「寝返りで痛いからストレッチしよう」
「血流を良くするために肩を回そう」
──実は、これが症状を悪化させてしまうことがあります。
夜間痛が強い時期、特に「炎症期」に入っている場合
無理なストレッチや運動は腱板や滑液包への過剰な負荷を生み
かえって回復を遅らせてしまうことがあるのです。
実際、下記の論文でもこうした「無理な運動の危険性」が報告されています:
Frozen shoulder: early aggressive rehabilitation may prolong recovery
Diercks RL, Stevens M. (2004)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14755052
この論文では、初期段階での過度な可動域訓練は回復を遅らせる可能性があると明言されています。
当院の対応:夜間痛へのアプローチ
ながよし整骨院では、五十肩の夜間痛に対して
以下のような段階的アプローチを行っています。
1. 状態の見極め(評価フェーズ)
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どの組織が痛みの主因かを触診・運動テストで確認
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滑液包の滑動障害か、棘上筋腱の炎症か、関節包の拘縮かを特定
2. 痛みの制御(急性期対応)
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アイシングやポジショニング指導
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僧帽筋や肩甲骨周囲筋への間接的なアプローチで血流改善
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自律神経への影響を考慮した胸郭・頚椎の調整
3. 可動域と滑動性の回復(回復期対応)
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肩甲胸郭リズムの再教育
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棘上筋と肩峰下滑液包の滑走テクニック
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夜間のポジショニング(タオルサポート法)も個別に指導
上記のように検査と施術を繰り返すことによって
確実に今ある症状を解決しながら改善までの経過を追っていくことができます。
すぐにできる夜間痛の対処法
夜間痛で悩んでいる方で、最初のうちはすぐに症状がなくならないこともあります。
肩の組織の炎症が抜けるまで、夜間痛は続くためです。
そんな方にお勧めなのが、座椅子などで上体を少し起こして寝ることです。
夜間痛とは肩の中の圧力が上がることで発症すると考えられているため
立位や座っている姿勢(座位)では、腕の重さによって肩が引き下げられ
痛みが出にくくなると考えられています。
つまり、寝ているときは横になるため腕の重さがなくなり
肩の圧力が上がってしまうので痛みが出てしまうとされています。
上体を少しでも起こして寝ることで
腕の重さが肩に少しかかり、肩の関節の中の圧力が上がることを
軽減してくれます。
実際に当院の患者さんでも座椅子などを使って寝ることで
途中で起きることなく長時間寝られるようになった方が多くいらっしゃいます。
夜間痛が軽くなると、人生が変わる
夜、ぐっすり眠れるようになると身体の回復力が飛躍的に高まります。
それによって、肩の痛み自体の改善スピードも加速します。
逆に言えば、「夜間痛を放置すると五十肩の回復が長引く」ことも。
当院では、夜間痛が改善しない=施術の優先度が高いサインとして捉え、初期からアプローチしていきます。
五十肩の夜間痛でお悩みの方へ
横浜市青葉区には多くの整形外科・整骨院がありますが
五十肩に特化している治療院は多くありません。
「どこに行っても変わらなかった…」
という方にこそ、私たちの臨床経験と知見が力になれると信じています。
五十肩による夜間痛でお悩みの方は、ぜひ一度「ながよし整骨院」へご相談ください。
一人ひとりに合った施術と、日常生活のアドバイスで根本改善を目指します。
参考文献・論文
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Frozen shoulder: early aggressive rehabilitation may prolong recovery
Diercks RL, Stevens M. J Shoulder Elbow Surg. 2004 Jan-Feb;13(1):3-5.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14755052 -
肩関節周囲炎に対する関節鏡視下手術と夜間痛改善に関する報告(Fukuda et al. 1990)